レッツゴースノーボード

ONE DAY WITH ONE TREE

TOP>FEATURE2

発想転換+想像力=クリエイティブ

雪があればハッピー。滑れるだけで幸せ。出来れば常にそう思いたい。だけど冬から春への移行期間は、ビックリするくらい雪が固い。ちょっと前まであんなにバフバフだったのに、今は信じられないくらいカッチコチ。悔しいけど滑っていてもテンションが上がらないし、何より板を取られてチョー危険。
でも待てよ。一つのアイテムさえあれば、一日中遊んでいられるのがスノーボードのいいところ。ハードなときこそ遊び心の見せ所じゃないか。
そんなことを再認識させてくれたのがご存知中井孝治くん。
岐阜からやってきたムードメーカー熊崎圭人とともに、森の中から一本の木をチョイスし、何ともクリエイティブなセッションを魅せてくれました!
RIDER 中井孝治 熊崎圭人  PHOTO 堂前和也

テクニカルに造成された一本の木

ここで質問。
木を使ってスノーボードするなら、どんなことして遊びますか?
倒れた木を見つけてログレール?いいね!
折れた木を見つけてジャンプで当て込む?いいねいいね!

だけど二人のRマスターにかかれば、木は傾いている必要もなければ、折れていなくてもよい。
中井は無数にある木の中の、何の変哲も無い一本を見上げ、ケイトを呼んで、「これをやろう」と根元に雪を敷き詰めた。
まっすぐ伸びる木に沿ってリップをつけ、90度となりにランディングを作る。飛び出し口と着地が違う、何ともテクニカルなアイテムが瞬く間に出来上がりました。

目を見張る独創的なセッション

何本かのチェックを終えた後いよいよ本格的なライディングがスタート。
ものの数回でコツを掴んだ中井は次から次へと完成されたハンドプラントを繰り出す。時にグラブを変えた、安定感ある滑り。あ、正直に話すと、僕も数本トライしたけど、トリックのイメージが沸かず、潔くカメラに徹することにした。中井はいとも簡単に何度もメイクしてるけどね。カメラアングルを変えてもお構いなくスタイリッシュなトリックを連発。

進化していくケイト劇場

一方のケイトはというと・・。始めはやや躊躇ぎみ。何度かのトライの後、木を駆け上りながらのBS180アウトをメイクするものの、何やら納得のいかない様子。どうせならインパクトのある一発を決めたい!その気持ちがひしひしと伝わるくらい、何度も泥臭く木に突っ込んでいく。ヒヤッとする落ち方をしても心が折れず、何かをずっとイメージしている。何てガッツのある男なんだ!

そうしていくうちに、早い段階でメイクしていたBS180アウトの軸がどんどんずれていく。回転数も増え、いわゆるアーリーチャックのようなスピン軸に。木を駆け上ってからのこの軸はものすごいインパクトがある。回を重ねるごとにトリックは進化。まさにケイト劇場。でも木とリップのつなぎ目は、一度通ると雪がはがれ落ち、こまめに雪を敷かないとテイクオフ前に板が詰まってしまう。それが原因でやられても、勝ちん気全開でトライするケイト。その合間に中井が、雪を敷き直しケイトをねぎらう。そしてとうとう・・

らしさ溢れる、何とも不思議な木とのコラボレーション。普段はみんなを和ますムードメーカー、ケイト。だけどひとたびスノーボードを履くと、ゴリゴリで攻め攻め、泥臭くも不屈の闘志が、見ているこっちも熱くさせる!
セッションが終わる頃には山の雪の固さなんてとっくに忘れて、中井の洗練されたハンドプラントと、ケイトの熱い滑りにすっかり魅了されました。
雪質、天気が悪くても、遊び心と発想力、時に泥臭いまでのガッツが加われば、斬新でクリエイティブなライドができるんだなと、カメラ越しに改めて思いました!

CAST RIDERS

中井孝治
今シーズンはcoifのフィルマーノリ君と、雪のいいところでヤバい滑りを量産。

熊崎圭人
スイッチダブルバックサイドロデオを操る、闘志あふれるムードメーカー。

RECOMMEND

READ MORE